栗東留学
栗東留学とは関東馬が関西圏のレースに出走するとき、レースの数週前から栗東トレセンに入厩し、栗東の施設で調教を積んでレースに臨むことです。マイネルキッツ(2009年天皇賞・春)など、すでにG1戦線でも成果があがっていて効果の程は立証済みですが、費用や輸送などのリスクもともなう。
- 栗東留学のメリット
- 経験の浅い2・3歳馬や輸送に弱い馬のために滞在競馬というねらいだけではないようです。栗東トレセンでの調教は能力向上に効果があると考えられています。また、直後のレースでは結果が出せなくでも、次走、次々走で好走するケースもあり、留学経験は無視できません。
- 騎手の栗東留学
- たとえば、関東所属の後藤浩輝騎手を栗東に長期滞在して調教にも騎乗。美浦と栗東の違いを肌で感じる試みも行われています。
栗東所属馬の強さの理由
- 調教厩務員制度の効果
- 中央競馬では調教助手や騎手が騎乗して調教を行いますが、厩務員でも資格を取得すれば調教に乗れます。そうした厩務員を調教厩務員といいます。調教助手や騎手より小回りがきくため、1頭あたりの調教時間をより多く取れるメリットがあります。関西では1980年代に導入されましたが、関東では労働組合の反発が強くなかなか導入できませんでした。それが調教用の坂路コースの導入の遅れとともに、西高東低の一因になったといわれています。
- 栗東トレセンは水がいい
- 栗東トレセンは敷地全体に起伏が多く、また地下水を汲み上げて供給している水のおいしさも、東西格差の一因と言われています。ちなみに美浦の水源は霞ヶ浦で、厩舎に業務用の大型浄水器を設置している場合もあります。
栗東留学の効果
年 | 馬名 | レース | 着順 | 調教師 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
2007 | ピンクカメオ | 桜花賞 | 14 | 国枝栄 | 次走1着 |
2008 | ロジユニヴァース | 新馬 | 1 | 荻原清 | 札幌2歳Sも連勝 |
ブラックエンブレム | ローズS | 15 | 小島茂之 | ||
秋華賞 | 1 | ||||
プロヴィーナジュ | 秋華賞 | 3 | 小島茂之 | ||
リザーブカード | マイルCS | 10 | 栗田博憲 | 次走3着 | |
2009 | マイネルキッツ | 天皇賞・春 | 1 | 国枝栄 | |
フィフスペトル | ファイナルS | 2 | 加藤従弘 | ||
クィーンスプマンテ | 京都大賞典 | 9 | 小島茂之 | ||
エリザベス女王杯 | 1 | ||||
ニシノブルームーン | エリザベス女王杯 | 10 | 鈴木伸尋 | ||
アパパネ | 阪神JF | 1 | 国枝栄 | 後に中山牝馬S1着 | |
ダノンベルベール | 阪神JF | 2 | 国枝栄 | ||
2010 | アパパネ | チューリップ賞 | 2 | 国枝栄 | |
桜花賞 | 1 | ||||
プロヴィーナジュ | 阪神牝馬S | 2 | 小島茂之 | ||
アニメイトバイオ | ローズS | 1 | 牧光二 |