競馬界の西高東低
かつて中央競馬では関東馬が圧倒的に強かった時代がありました。しかし、1988年に初めて関西馬が関東馬を勝利数で上回って以来、関西馬が関東馬を圧倒する西高東低という図式ができました。
西高東低を読み解く
- G1でも顕著な西高東低
- 西高東低はG1でも顕著で、例えば桜花賞では2004年にダンスインザムードが勝つまでは関東馬は17連敗でした。06年の日本ダービーに出走した関東馬は18頭中、わずか1頭だけです。09年の日本ダービーは12年ぶりに関東馬のロジユニヴァースが制しましたが、今後この流れが続くかどうかは未知数です。
- 2010年上半期は関東が健闘
- 東西格差は「栗東は1軍、美浦は2軍」とまで酷評されるが、2010年には少々風向きが変わり、上半期のG1・11レース中6レースを美浦所属馬が制しました。内訳は、高松宮記念、天皇賞・春、桜花賞、オークス、安田記念、宝塚記念。
- 美浦にモデル厩舎を指定
- 美浦トレセンでは2010年1月から厩舎改革の一環として、手塚貴久、二ノ宮敬宇の2厩舎をモデル厩舎に指定して、厩舎経営のスリム化実験んをスタートさせました。西高東低の一因とされる持ち乗り厩務員制度の導入、進上金の配布方法の変更、分業、協業による作業の効率化など、従来の規制を緩和してよりよい厩舎経営を検討しているようです。
- 馬道に高低差
- 持ち乗り厩務員と並んで東西格差の2大要因とされるのが、東西調教コースの差もあります。これを是正するために、美浦トレセンでは坂路に接続する馬道にアップダウンのある高低差をつけ、自然高低差を活かして馬を鍛える栗東仕様に変更されました。